ミミ
出典:あいうえおうさま(文:寺村輝夫 絵:和歌山静子 デザイン:杉浦範茂)/理論社
目次
〈どんな絵本?〉
『あいうえおうさま』は知育絵本
『あいうえおうさま』は、ひらがな50音「あ」から「ん」を覚える年齢の子どもに向けた絵本です。
1ページに一文字、4行のリズム良い詩(うた)で、登場するおうさまの様子を文字にからめて面白おかしくかかれています。
たとえば「あ」。
出典:あいうえおうさま(文:寺村輝夫 絵:和歌山静子 デザイン:杉浦範茂)/理論社
あいうえおうさま
あさの あいさつ
あくびを あんぐり
ああ おはよう
詩だけではなく、あざらし、あさがお、あめ、ありなど「あ」のつくイラストがあちこちに盛り込まれています。
このように『あいうえおうさま』はことばを学ぶ「あいうえお絵本」の知育絵本です。
〈見どころは?〉
おうさまのダメっぷり全開
見どころはズバリ、あいうえお絵本ではあるけども、文字よりもキャラクターの主張が強い知育絵本というところです。
この絵本に出てくるおうさまは「ぼくは王さま」シリーズで活躍しているおうさま。
参考 「ぼくは王さま」シリーズ理論社わがままで、なまけもので、くいしんぼうのちょっと困ったおうさまが、この『あいうえおうさま』でフォローなしに全開で登場。
出典:あいうえおうさま(文:寺村輝夫 絵:和歌山静子 デザイン:杉浦範茂)/理論社
このようなダメっぷりだけではなく、おちゃめなおうさまの一面も垣間見られます。
出典:あいうえおうさま(文:寺村輝夫 絵:和歌山静子 デザイン:杉浦範茂)/理論社
こんな子供のようなおうさまの様子を、4行で綴った詩の全46ページを読み終える頃には、気づいたらおうさまファンになってしまうという、おうさまの魅力恐るべしの絵本です。
〈ここも注目!〉
全ページに細かい配慮と優れたデザイン
ページ上に書かれている基本の文字は、教科書の自体をそのままに子どもに親しめるように書かれたもの、本文は絵本でよく使われている書体を使用しているとのことです。
知育絵本としての細かい配慮がされているのは嬉しいですね。
さらに、イラストの構成が大胆で配色も斬新、最後まで見ていて飽きません。
500枚をこえる画家の絵を、一流デザイナーが、それぞれのページの特色をいかして大胆に選択、配列、特殊彩色をした新しいタイプの絵本です。(出典:あいうえおうさま(文:寺村輝夫 絵:和歌山静子 デザイン:杉浦範茂)/理論社 カバーそで部分より)
初版から40年近く経ちますが、今見ても新鮮さが感じられるのはさすがです。
〈どんな子供におすすめ?〉
学びとユーモアを求める子供、大人にもおすすめ
この『あいうえおうさま』の素晴らしいところは、幅広い年齢層で楽しめることです。
就学前の子供には「あいうえお絵本」として、小学生には文章のおもしろさを、大人にはナンセンスなユーモアを。
おうさまの愛嬌あるダメっぷりを親子で笑いながら読んでみてはどうでしょうか。
さらに、『王さまABC』という英語の絵本も出ております。ちょっとかわいらしくなったおうさまと英語のお勉強をしてみてはいかがでしょう?