いつか絵本作家になれたらなあと思っていた管理人のミミです。
昔から絵を描くのは好きで、学校はデザイン系、仕事もクリエイティブなものが多いので、少し本気になれば老後には絵本作家としてデビューするのも夢じゃないかも。
と、若かりし頃は思っていました。いや~、甘かった!
結婚して子どもが生まれて、絵本に触れ合う機会が多くなり、改めていろいろな作品を読んでみると、人気のある絵本というのは本当に素晴らしい!とても中途半端な気持ちで成功できる世界じゃないのかなと感じました。
そう感じたのは、母親になってから「絵本」というものの見方が少し変わったからです。
そんな母親目線から、人気の絵本を作るために押さえておきたいポイントなどを考えてみました。
絵本作家を目指している方の参考に少しでもなればと思います。
お母さんはどんな絵本が好き?
子どもの性格形成に役立つ絵本
子どもの絵本を買うか買わないかの決定権は、ほぼお母さんの役割。
出資者のお母さんは、絵本を慎重に選ぶことを強いられます。
慎重に選ぶからこそ、何かに役立ってほしい、この絵本を買ったことで子どもがこうなってほしい、というような「ほしい」願望が出てきます。
友達を大切にする、やさしい気持ちを持つ、外で元気に遊ぶ…など自分の子どもに対して足りないなと感じている部分を絵本で補いたいという親の切実な願望です。
なので、子どもの性格形成に役立つような絵本は今も昔も人気が高いですね。
お母さん大好き、知育絵本
ここ最近ではすっかり定着した「知育」という言葉。ネットで「知育絵本」と検索するとずら〜っと出てきますね。
この絵本でうちの子が天才になるかも!…までは思わないにしても、「知育」という言葉に多少の効果は期待してつい手に取ってしまう。おそるべし「知育」効果です。
やはり、親としては楽しみながらお勉強をしてほしいと思ってしまいます。
作り手としても「お勉強」的な要素を含めるようなストーリー作りは、いろいろ見方が変わって結構楽しいかと思います。
子どもはどんな絵本が好き?
子どもはとにかく「くりかえし」が好き
子どもが「よんで〜」と持ってくるのは、同じ言葉や同じ行動をなんどもくりかえす絵本が多いです。読む方としては少々退屈ですが。
同じ言葉、同じ行動がくりかえされる「くりかえしの絵本」が子どもは大好きです。
くりかえしの絵本は『がたんごとん』『ぞうくんのさんぽ』『おおきなかぶ』などたくさん出版されていて人気が高いですね。
子どもは「発見」が好き
上記のような「くりかえし絵本」のように、セリフが単調で各ページ同じようなイラストでも、子どもは細かいところを見ています。
そして「あ、ここさっきとちょっとちがう」なんて発見をして喜びます。
先日、図書館へ行ったときに隣で幼稚園年少くらいの女の子が泣いていて「この本じゃない、かみの毛が少しみじかかったの!」とお母さんに訴えていました。
どうやらシリーズものの絵本で、前回見たものと違っていたらしいです。お母さんには分からない違いを子どもはしっかり分かっていたりするんですよね。
作り手としては気が抜けません。
ずっと心に残る絵本って?
子どもにも大人にもインパクトを与える
人気の絵本は何十年と変わらず愛されています。
何十年と人気のある絵本というのはどんな絵本なのでしょう。
人気の絵本のランキングなどを見ていて、「人気の絵本」と「何十年と人気の絵本」は少し違うことに気づきました。
「何十年と人気の絵本」というのは、「心に残る絵本」なのかなと思います。
「心に残る絵本」ランキングでよく出てくるのは、『100万回生きたねこ』『あらしのよるに』『かわいそうなぞう』『ごんぎつね』『やさしいライオン』『スイミー』などなど。
なんとなく共通しているのが、ハッピーエンドでもそうでなくても、読み終わったあとに少し考えさせられるところです。
子どもの頃に読んだときは何かわからないモヤモヤした感じをもっていた絵本、それが大人になって意味を理解したときの驚き。そしてそれが「心に残る絵本」となるのでは。
『おおきな木』はまさにそんな感じでした。
「心に残る絵本」というのは、子どもにも大人にもいろいろな意味でインパクトを与える絵本ではないでしょうか。
まとめ:売れ続けている絵本とは
大人目線、子ども目線のバランス
以上ご紹介してきたことを考えると、絵本を作る上で、子ども目線と大人目線、そのバランスが大事なのかなと思います。
子どもができて絵本と触れ合う機会が多くなり、たくさんの絵本を読んで感じたのは、人気のある絵本というのは、子どもと大人の心を掴んでいます。
絵本は子どもの読み物、でも大人の読み物でもあるからこそ、何十年と人気の絵本が続いていくのでしょうね。
読み手が子どもと大人という少々高いハードルですが、数十年後も愛される素敵な絵本を作ってみたいものですね。