みなさんはオノマトペってご存知でしょうか?今回は日本語のオノマトペと絵本についてのお話です。
ミミです
オノマトペとは?
オノマトペとは擬音語や擬態語のことを言います。
擬声語とは物が発する音や声を文字にしたもの、擬態語とは、状態や心情など音のしないものを文字にしたものです。
- 雨がザーザー降る。(擬声語)
- ペタペタと足音がする。(擬声語)
- 彼女がいるとドキドキする。(擬態語)
- 二人はぎくしゃくしている。(擬態語)
外国語にもオノマトペはありますが、日本語にはより多くの数のオノマトペがあります。
特に日本語のオノマトペには擬態語が豊富です。
痛さを表現するのに「しくしく」「きりきり」「ずきずき」「がんがん」など多くの種類があり、日常会話の中でも頻繁に登場します。
他に、「さらさら」「はらはら」「しとしと」など情緒あるオノマトペは古くから日本人が好んで使われています。
目に見えない繊細な内面を表現するところが、日本人独特の感性である「わび(侘び)・さび(寂び)」に通ずるものがあるのでしょうね。
オノマトペと絵本
一言だけで表現できる
以前ご紹介した「ぼくのくれよん」にも多くのオノマトペが登場しています。
「ごろ ごろ ごろ」「にゅー」「びゅー びゅー」
これだけでどんな状態なのかなんとなく想像できますね。
もしオノマトペを使わなかったら、この状態を説明するのに多くの言葉が必要になります。
例えば、
ごろ ごろ ごろ おおきくてかたいくれよんがころがってきました。
にゅー ぞうのはなが、とつぜんでてきました。
びゅー びゅー ぞうはつよくふくかぜのように…
どうでしょう?絵本としての面白みが一気に減ってしまったような気がしませんか?
このように、簡単な一言だけで状況を表現できるオノマトペは、絵本ととても相性が良いことが分かります。
リズムも大事
先ほどのオノマトペの例をみると、どれも言葉に動きを感じます。
これが子供には大事なポイントになります。
まだ言葉がうまく理解できない子供にとって、オノマトペはとてもわかりやすい言葉で表現されているからです。
「ボールが上下に動いている」=「ボールがポンポンする」
このボールが上下に動くということを「ポンポン」という意味だと理解するのは、子供にとってすごい発見だと思います。
また、声帯の発達していない子供に「ボール」という言葉は難しくても、ポンポンは声に出しやすく、覚えやすい言葉です。
なにかを発見するということは、子供にはとてもうれしいことです。
同じ本をなんども「読んで!」とせがむのはそんな理由があるのかもしれません。
絵本の効果的な読み聞かせ方は、リズムをつけて読んであげることだと言われています。動きの様子を表す絵と言葉のリズムで、子供と一緒に楽しく読んでみましょう。
オノマトペおすすめ絵本
もこ もこもこ
息子がはじめて興味を持った絵本がこの「もこ もこもこ」でした。
正直、当時の私には何が魅力なのかさっぱりでした。。
それまで絵本に興味をさほど示さなかった息子が、この絵本をなんども「よんで」と持ってきていたので、子供にしか分からない魅力があるのかなあと思っていましたが、今にして思えばまさにオノマトペ効果だったと思います。
この絵本ではじめて動きと言葉の関係を覚えたのかなと。
じゃあじゃあびりびり
「じゃあじゃあじゃあ」「びりびりびり」「ぶーぶーぶーぶー」など、濁音のオノマトペが比較的多く使われています。
聞いた感じが頭の中に残るような言葉を選ばれているのか、どの言葉もあり大抵のようで印象的です。
本の体裁は14cm×14cmと小さく、角を丸くした厚紙なので赤ちゃんの本にはぴったりですね。
言葉図鑑2 ようすのことば
辞書のようなオノマトペ絵本で470語のオノマトペが紹介されています。
さすが五味太郎さん、ひとつひとつの絵がおもしろくて、ついクスッと笑ってしまうものが多く、ついつい見入ってしまいます。
言葉の教科書、オノマトペ絵本
動きや感情を表す絵、分かりやすい言葉で表現しているオノマトペ絵本は、言葉を覚え始める子供にとって言葉の教科書のようなものです。
その言葉の教科書は、子供に新しい発見をうながしてくれます。
そんなオノマトペ絵本を子供の成長期に取り入れてみてはどうでしょうか。
また、外国ではオノマトペは赤ちゃん言葉としてのみとして使われたり、コミックだけの言葉だったりしますが、日本では大人になっても日常会話の中では必須と言えるほど使われています。
日本語には切っても切れないオノマトペ。
動きや感情の言葉の意味を、少し意識しながら子供との会話に取り入れて、親子共に表現力豊かな言葉選びができるようになれたらいいなと思います。