こんにちは。ミミです。
昨年末、あるお宝本をゲットしました。
「復刻 マザーグースの世界 オーピー・コレクション 全30巻」(ほるぷ出版)
しばらくの間、この本を探してネットを徘徊しておりましたが、ついにオークションサイトで発見。
しかもかなりお値打ちにゲットし、届いてみると思っていた以上にお宝すぎて身悶えするほど。
圧巻の全30巻!
今回はこのマザーグースについてお話をしたいと思います。
目次
マザーグースとは
英語の伝承童謡の総称
まずはじめに、マザーグースは童謡です。
昔、マザーグースはグリム童話やイソップ童話のような物語だと思ってた私…。童話ではなく童謡なんですね。
「マザーグース」というのは英語の伝承童謡の総称を言います。(イギリスでは「ナーサリー・ライム」がメジャーな呼び方)日本で言えば「あんたがたどこさ」「かごめかごめ」のようなものです。
作者不詳の1,000以上もの歌が、古くからイギリスまたはアメリカの民衆や貴族の間で歌われ、今に受け継がれてきた童謡がマザーグースです。
マザーグースを引用した本
イギリスやアメリカでは、マザーグースを引用した児童文学やミステリー小説などが数多くあります。
有名なルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の他、『秘密の花園』、『指輪物語』、ミステリーではアガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』『誰がこまどりを殺したの?』、ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』、エラリー・クリーン『靴に棲む老婆』など。
イギリスやアメリカで幼い頃から慣れ親しんできたマザーグースは、米英国の文化に浸透しているのですね。
大人の絵本として、ココがおすすめ!
①コレクターにはたまらない
洋書絵本はイラストのお洒落なものが多いのですが、マザーグースのイラストはアンティーク感がひときわお洒落で魅力的です。
私の購入した「復刻 マザーグースの世界 オーピー・コレクション」とは、1945年〜1982年までにイギリスのオーピー夫妻によって収集された児童文学コレクション(現在はオックスフォード大学ボードリアン図書館が所蔵)の中から、ほるぷ出版が「復刻マザーグースの世界」として出版したものです。
出典:復刻 マザーグースの世界 オーピー・コレクション/ほるぷ出版
型に切り抜いた本や、仕掛け絵本、カードタイプのものなど、装飾がかなり凝っていて、当時の印刷技術を考えると、1冊を作るのに相当な労力とお金がかかったかと思います。
この「復刻 マザーグースの世界 オーピー・コレクション」ですが、現在は絶版になっているため、古本屋サイトかオークションサイトでしか見当たりません。現在の印刷技術を持ってしても、これだけの装飾された本を量産するのは難しいのでしょうね。
購入されたい方はマメにサイトをチェックしましょう。現在はネットで全巻◯万円で出ていますが、たま〜にびっくりするお値打ち価格で出ることもあります。私は超びっくり価格でラッキーでした。
しかし「復刻 マザーグースの世界 オーピー・コレクション」以外のマザーグースでも、外国の有名なイラストレーターの方々の作品が多く、どれもかなり魅力的です。
Amazonなどで購入できる本もたくさんあるので、チェックしてみてください。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます。
子供の本棚より、自分の本棚にそっと飾りたくなりますね〜。
②歌詞の内容が興味深い
マザーグースは歌詞の内容が謎めいていたり、残酷だったりするので、よくネットで取り上げられていたりします。
日本の童謡も同じですが、その当時の時代背景を読み込んでいるものは、時として残酷で現代では理解できないことが多いです。
それを歴史と捉えるか、ホラーと捉えるかは人それぞれですが、どちらにしても知れば知るほど興味深いと思います。
Ring-a-Ring-o’ Roses
Ring-a-Ring-o’ Roses,
A pocket full of posies,
Atishoo! Atishoo!
We all fall down.
(バラの花輪/ポケットいっぱいの花束/ハクション!ハクション!/みんな倒れた)
この『Ring a Ring o’ Roses』は、1665年、当時ロンドンで大流行したペストのことを歌っていると言われています。
バラ=ペストの赤い湿疹、花束=薬草、ハクション=ペストが肺に回り末期の状態、そしてみんな死んでしまった。…歌詞からは想像もできない内容ですね。
他にも有名な『ロンドン橋落ちた』は、最後は橋に人柱をくくりつけた話だと言われています。
当時の歴史的背景や歌詞に込められた意味を知ると、楽しげなメロディーの裏に、歌詞の持つ重みを感じます。
③英語の多読入門としても
実は、かつて英語多読にトライしていた管理人です。あえなく脱落しましたが…
英語多読初心者に何より嬉しいのが、ページを開いた時の文章の少なさ、一文の短さ。笑
そういう意味でもマザーグースはおすすめしたいです。
韻を踏んだリズミカルな歌詞と簡単な単語は、頭にすーと入ってきます。
ただ、中には今では使わないような単語や、時代背景を知らないと「?」ということもありますが、やはり短いのは嬉しい。
Humpty Dumpty
Humpty Dumpty sat on a wall,
Humpty Dumpty had a great fall.
All the King’s horses,
And all the King’s men
Couldn’t put Humpty together again!
(ハンプティ・ダンプティ塀の上/ハンプティ・ダンプティ落っこちた/王さまの馬や兵士でも/もう元には戻せない)
この程度なら、中学生英語で止まっている私でも何とかなります!
それで、このハンプティ・ダンプティが塀から落ちたらなんなの?と内容について疑問に思われたら、すぐにググってみてください。
マザーグースを調べると、いろいろな解釈が出てきたりするので楽しいです。
そうこうしているうちに、英語の勉強のはずが気づいたらマザーグースの世界にはまり込んでいた、ということになるかもしれませんね。私のように。。
末長く愛用できる本、マザーグース
私が大人の絵本としてマザーグースをおすすめするのは、末長く愛用できる本だからです。
先にも述べたように、マザーグースにはかなり当時の歴史的背景が読み込まれているものがるので、知れば知るほど、歴史や英語の興味が深まります。
また大人だけでなく、子供たちと一緒にマザーグースの童謡を楽しむこともできます。
子供たちにも少しだけ、時代背景を教えてあげると、同じように興味を持ってくれるかもしれません。
知ることの楽しさを教えてくれるマザーグースは、絵本というより、参考書のように、自分の本棚に末長く並べておきたい本です。
…と、優等生な発言をしてみましたが、正直なところ私としては、何時間でも眺めていたくなるイラストの魅力が一番のおすすめポイントですかね〜。長々書いた割には薄っぺらい〆ですみません。。
みなさんもマザーグースを集めてみてはいかがでしょう?