ミミです
こんにちは。ミミです。
今回はちびっこたちのヒーロー、あんぱんまんの絵本をご紹介いたします。
出典:あんぱんまん(やなせたかし作・絵)/フレーベル館
子どもが大好きなアンパンマン、その理由は?
子ども品売り場やお菓子売り場には、決まってアンパンマン関連のものが置いてありますよね。
それで、息子は知らず知らずのうちに覚えたのか、はじめて描いた絵がアンパンマンでした。
子どもってアンパンマン好きですよね。特に1〜2歳くらいの子どもには大人気。
なぜそんなにアンパンマンは幼児たちに人気なのでしょうか?
それにはいろいろ諸説があるようですが、心理学者R.L.ファンツの実験で、赤ちゃんは人の顔が好き、丸いものが好きという事が分かり、まさに条件を充しているのがアンパンマンだったのですね。
息子が初めて描いた絵
初期のアンパンマンは「あんぱんまん」
当時、息子がアンパンマンフリークになり、毎日アンマ!と言っているので、本屋さんにアンパンマンの絵本を探しに行きました。
どうせならアンパンマン初代の本を買おうと手にとってみると、何か違和感。
アンパンマンが「あんぱんまん」になっている。
連載当初は出版社側の意向から、幼児向けということで平仮名表記にしてたようですが、二作目からは「それいけ!アンパンマン」と片仮名になりました。
「片仮名にかえたのは、パンという感じがどうも片仮名でないとぼくにはぴんとこない。記号には過ぎないが、あんぱんとアンパンでは微妙にちがう。そしてぼくの好きなのはアンパンの方である。」(『アンパンマンの遺書/やなせたかし著』より)
「あんぱん」と「アンパン」の違い。理由があるようでないような、でもなぜか説得力があります。
つぎはぎマントに込められた想い
「あんぱんまん」の表紙扉を見て、またもや何か違和感。
にっこり笑顔でピースサインをしているあんぱんまんですが、よく見ると衣装が薄汚れてマントがつぎはぎ…なぜ?
これには、やなせたかし氏の「正義」というものへの想いが込められていたのです。
「子どもたちとおんなじに、ぼくもスーパーマンや仮面ものが大好きなのですが、いつもふしぎにおもうのは、大格闘しても着ているものが破れないし汚れない、だれのためにたたかっているのか、よくわからないということです。ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。そしてそういう捨身、献身の心なくしては正義は行えません…(以下略)」(『あんぱんまん/やなせたかし作・絵』あとがきより)
このつぎはぎのアンパンマンには、やなせたかし氏の考える「正義」が込められているのですね。
顔なしアンパンマンに子どもの反応は?
困っている人たちを助けるうちに、ついに顔がなくなってしまったアンパンマン。
この顔のないアンパンマンを初めて見たときは、正直、かなりの衝撃でした。
テレビでも半分以上顔の欠けたアンパンマンは見た事がなく、まさか体だけになってしまうなんて!
これをアンパンマンフリークの息子に見せるのはどうだろう、と少し躊躇しました。
しかし、子どもには顔のないアンパンマンに対してそれほど抵抗はないようです。
「かおなくなっちゃったねー」とストーリーの自然な流れという感じで受け止めているようです。
大人より子どもの方が、絵本というものを素直な心で読んでいるからなのかなと思います。
ストーリーよりビジュアル重視だった自分に反省。
微妙な出来ですみません…
初代アンパンマンは人間味溢れるヒーロー
「あんぱんまんは、やけこげだらけのボロボロの、こげ茶色のマントを着て、ひっそりと、はずかしそうに登場します。自分を食べさせることによって、飢える人を救います。それでも顔は、気楽そうに笑っているのです。さて、こんな、あんぱんまんを子どもたちは、好きになってくれるでしょうか。それとも、やはり、テレビの人気者のほうがいいですか。」(『あんぱんまん/やなせたかし作・絵』あとがきより)
このあとがきを読んで、私はアンパンマンが大好きになりました。
「ひっそりと、はずかしそうに…」という、どこか人間臭さを感じさせる初代アンパンマンに親近感を覚えずにはいられません。
テレビとは違った魅力を持つ、絵本「あんぱんまん」をぜひ親子で読んでみてはいかがでしょうか。
やなせたかし氏の作品はこちらでもご紹介しています。
やなせたかしの絵本は少し悲しくて切なくて、ずっと心に残ります
●やなせたかし(本名/柳瀬 嵩)1919年2月6日~2013年10月13日
●高知県出身
●漫画家、絵本作家、イラストレーター、詩人、雑誌編集者、作詞家、演出家等
●代表作品/アンパンマンシリーズ、やさしいライオン、チリんのすず、手のひらを太陽に(作詞)、アンパンマンのマーチ(作詞)
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