Illustratorのパス描いた平坦な線画のイラストを、Photoshopで少し手を加えるとメリハリのついた手描きっぽい線画に仕上げることが出ます。
今回はPhotoshopのパスを利用する方法と、フィルターギャラリーを使った方法の2種類をご紹介します。
(使用ソフトは Adobe Photoshop CC・Adobe Illustrator CC、Mac使用、見本画像は800×600pixel、72dpiで作成)
Photoshopのパスを利用する方法
Illustratorのパスで作成したモノクロの線画イラストを選択してコピー、Photoshopの画面でペーストをします。
- STEP.1線を太らせる
最初から線を太めに作成してあれば、この作業は飛ばして良いです。
フィルターメニューから[その他]→[明るさの最小値]を選択すると、1pixel単位で線を太らせることができる。(見本は1pixel)
- STEP.2イラストを選択
チャンネルパネルを開き、⌘(コマンド)+RGBをクリックしたら、メニューの選択範囲→[選択範囲を反転]を選択。黒の部分が選択された状態になる。
- STEP.3パスの作成
パスパネルを開き、[作業パスを作成]を選択してパスを作る。(見本は許容値2.0pixel)
パスができたら、パスを保存。
ワンポイントパスの選択が外れてしまったら、パスパネルを開いて[opt(オプション)]+パスレイヤーをクリックするとパスが表示される。
また、パスの選択範囲(点線で表示されるもの)を選択したい時は、[⌘(コマンド)]+パスレイヤーをクリックで選択範囲が表示。
- STEP.4パスを塗りつぶす
レイヤーパネルを開き、色を塗りつぶす新規レイヤーを作る。元画像は非表示にしておく。
パスパネルを開き[パスの塗りつぶし]→[描画モード:通常、不透明度:100%、ぼかし0%]
- STEP.5完成
線の太さや、パスを作成するときの許容値の数値を変えて、お好みの雰囲気を試してみましょう。
フィルターギャラリーを使う方法
こちらのイラストは、黒で塗り、線を白で引いたイラストです。
Illustratorでイラストを選択してコピー、Photoshopの画面でペーストをします。
- STEP.1イラストのレイヤーをコピー
元のイラストのレイヤー名を「元」、コピーしたレイヤー名を「アナログ感」とする。
ワンポイントレイヤー名は誰が見てもわかるような分かりやすい名前にしておこう。レイヤーが「レイヤー1」…「レイヤー12」などと増えてくるとミスやロスにつながります。また、元となるレイヤーは最後まで残しておくと、後々の変更の時に便利。
- STEP.2輪郭を抽出
「アナログ感」のレイヤーを選択した状態で、メニューの[フィルター]→[フィルターギャラリー]
注)描画色を黒、背景色を白に設定しておく。
右側のエフェクトレイヤーを[コピー]と[カットアウト]の2つを追加。エフェクトレイヤーの追加、削除は右下のファイルとゴミ箱のアイコンで行う。
コピーで輪郭の抽出、カットアウトでラフな感じに処理をする。表示画面を見ながら数値を調節。(環境によって異なるので見本の数値は参考までに)
下のような表示画面になったら「OK」ボタンを押す。
- STEP.3レイヤーの統合
「アナログ感」のレイヤーが「元」のレイヤーの上にあることを確認したら、レイヤーパレットの描画モードを[通常]→[乗算]。
「元」のレイヤーをコピーして「アナログ感」のレイヤーと統合して完成。「元」レイヤーは非表示にする。
- STEP.3完成
微妙な変化で、見本として申し訳ないのですが、この[フィルターギャラリー]を使うと、塗り部分ににムラを作ったり、かすれさせたりと、いろいろなアレンジができます。
少しクセがあるので、モノにするまでは何度か試してみる必要がありますが、習得しておくと効果のバリエーションが広がります。
Illustratorで線画を手描き風にする方法はこちら
【絵本づくり】イラレの線を簡単に手描き風にする方法。データも軽い!
最後に
最初にご紹介したパスを使った方法は、フィルターギャラリーでの効果が思うように出なかったので、試行錯誤して見つけた方法です。単純な方法ですが。
PhotoshopもIllustratorもソフト全般について言えますが、マニュアル以外の使い方の幅はとても広いので、1つのやり方が正解ではないです。
マニュアルを読んで同じようにやっても、思うようにいかなかったら、自分の知っているやり方をアレンジしてみると、結構すんなりとうまくいったりします。
自分に合ったやりやすい方法を見つけて、優秀で便利なソフトを使いこなせるようになるといいですね。