今回ご紹介する「チーター大セール」はナンセンス度高し!絵もストーリーもみどころ満載の絵本です。
ミミです
出典:チーター大セール(高畠那生 作・絵)/絵本館
「チーター大セール」あらすじ
露店業を営むチーター。(笑) お店は繁盛していませんでしたが、あるお客にチーターの黒い斑点の模様を売ったことをきっかけに一転します。
模様のなくなったチーターは自分でカラフルな色で模様を書きました。すると、その目立つ姿にお客が押し寄せ、あれよあれよと言う間にお店は大繁盛。
お店の品物は売り切れ、チーターが片付けをしているときにやってきた一人の婦人。チーターに売って欲しいと言ったものは…
「チーター大セール」みどころ
子供も大人も受け入れられる「おもしろさ」
この絵本を知ったのは、Eテレの「テレビ絵本」という番組です。
「テレビ絵本」とは、絵本や童話を映像で流し、俳優やタレントの方が読み聞かせをしてくれるという番組です。
そのテレビ絵本で放映されていた「チーター大セール」、いろいろな意味で衝撃でした。
突拍子もないストーリー展開、子供の絵本らしからぬタッチのイラスト、シュールとユーモアの混じり合ったナンセンスさ。
正直、私は何から何まですっかり心を掴まれてしまいました…
大人の私は心を鷲掴みにされましたが、実は子供受けも良いですよ。ストーリーのおもしろさよりも、自分の体に色を塗ったりシールを貼ったりというチーターの言動が楽しいみたいで、子供は自分もやってみたい!と思うのでは。
微妙にズレはあるようですが、この絵本のおもしろさは子供にも大人にも受け入れられています。
イラストが奇抜でおしゃれでちょっとヘン?
出典:チーター大セール(高畠那生 作・絵)/絵本館
イタリアの絵本のような鮮やかな色彩、街並みの風景は小粋な外国風で、登場する人たちの服装も洒落ています。そしてチーターの立ち姿はスマートでかっこいい!(絵本の中のチーターは普通に二足歩行しています。表紙に描かれているチーターとややギャップ有り。笑)
でも、おしゃれなイラスト、だけではないインパクトがあります。
まず、構図が大胆で素敵。どーんと見せるところは見せて、脇に描かれている人や建物たちの、なんと小さいことか!見ようによっては巨人と小人にしか見えないという思い切った遠近法。
さらに、なぜか青色の顔や緑の唇など顔色の悪い人たち、最後にやってきた婦人の冷たい顔など、所々にちょっとした衝撃を与えてくれます。
そしてチーターの表情。驚いた顔、とぼけた顔、得意げな顔、どれもチーターの純朴な性格が出ていて、読み手を味方にしてしまうんですよね。
アート色の強い絵本は子供受けが良くなかったりするのですが、この絵本はイラストとストーリーの相対的な奇妙なおかしさが、子供にもすーっと入っていくようです。
ポジティブシンキングの大切さ
チーターは、黒い模様を売って欲しいと言われ、驚きはしたものの「せっかくだらか売ることにした」とあっさり売ってしまいます。
そして「ひまだったしね」と言って模様のなくなった自分の体にペンで色を塗ります。そして最後も。。
流れに身をまかすようでいて、どこか前向き思考のチーター。
そんなチーターに好感を持たずにはいられません。
私たちも困難に出会っても、このチーターのようにポジティブシンキングで飄々として乗り越えていきたいものですね。
絵本館の「チーター大セール」紹介ページで作者の高畠那生さんの言葉が載っていました。
“ニワトリがお店をだしています。そこへ他のニワトリがやってきて「寒いからお前の羽根をくれ」といい全部むしりとられました。裸になったニワトリはしょんぼり帰っていきました。”最初はこんな話でした。でも、裸になったニワトリを描いてみたら、あまりにかわいそうな絵になってしまったので、チーターの模様がとれるということにしました。チーターはニワトリだったのです。(絵本館ホームページより)
高畠さんも「せっかくだからチーターにしてみた」といった感じだったのでしょうか?(^^)
裸のニワトリも是非見てみたいですね。絵本の中に七面鳥がチラと出てましたが…ニワトリの名残り的なもの??
高畠那生さんの他の絵本はこちらでも紹介しています。


◆高畠 那生(1978年生まれ)
◆岐阜県出身
◆絵本作家
◆東京造形大学絵画科卒業。「メガネをみてよ!」第4回ピンポイント絵本コンペ入選、「むかったさきは…」第25回講談社絵本新人賞佳作、「カエルのおでかけ」第19回日本絵本賞、他に「ぼく・わたし」「でっこりぼっこり」「バナナじけん」「みて!」など