ミミ
「〜にきをつけて」3部作とは
「〜にきをつけて」3部作とは五味太郎さんの絵本「かえるくんにきをつけて」「テレビくんにきをつけて」「とまとさんにきをつけて」です。
他に五味太郎さんの作品で「きをつけて」シリーズ(童心社)がありますが、こちらでご紹介する「〜にきをつけて」3部作とは別物です。3部作、と言っても私が勝手に言っているだけですが。m(_ _)m
五味太郎さんの作品は、のびのびとしたストーリーにちょっとしたユーモアが盛り込まれていてるところが魅力のひとつです。
そんな魅力が全開に出ている「かえるくんにきをつけて」「テレビくんにきをつけて」「とまとさんにきをつけて」。
これ子供向け?とも思ってしまうようなきわどいユーモアも混じった突っ込みどころ満載の絵本です。
曲者キャラたちが登場するので、みなさんきをつけて…
ひねくれオレ様大賞「かえるくんにきをつけて」
このかえるくん、いわゆるオレ様タイプです。でもただのオレ様ではありません。
ひねくれております。
数字の6のカードをみせて「いくつかわかるか?」「おお ざんねんでした!ちがいました!」とカードをひっくり返すというひねくれ具合です。
かえるくんの堂々としたひねくれぶりが、むしろ好感度を上げています。
最後はちょっとしたダジャレを言って去っていくのですが、怒り肩とガニ股のかえるくんの後ろ姿が素敵です。
メディアうそつき大賞「テレビくんにきをつけて」
このテレビくん、あどけない顔をして大うそつきです。
「ぼくはテレビくんじゃないよ アイロンくんだよ」こんなかわいいうそもあれば、「ふねは えいごでヒップというんだ」と子供が読んでいる横で大人があわてて訂正したくなるようなうそもあったり、とにかくうそばかりを言っているテレビくん。
そして突然のシャットダウン…テレビくんは帰っていきました。。
なるほど。気をつけなくてはいけませんね。テレビが言っていることは全てが真実とは限りませんから。。
そんなちらっと風刺のきいた絵本です。
かまってちゃん大賞「とまとさんにきをつけて」
このとまとさん、面倒くさいかまってちゃんです。
しかも周りを巻き込むタイプのかまってちゃんです。わたしがやるから、あなたもやって!みたいな強引さ、一緒に遊んでいると思ったらさっさと帰ってしまう身勝手さ。
このとまとさんのストレートな感情表現、実は読んでいて気持ち良いです。というか、おもしろいです。
とまとさんのような裏表のない小悪魔的かまってちゃんなら振り回されるのも楽しいかも?
最後に
かえるくん、テレビくん、とまとさんは、どれも濃いキャラクターに感じますが「こんな子、いるよね〜」と不思議と親近感も持ってしまいます。
五味太郎さんの観察眼と発想力に脱帽の一冊。
「〜にきをつけて」3部作は、ぜひ子供と一緒に読んでみてください。
子供と大人、どちらが先に笑うかな〜?(^^)
五味太郎さんの絵本はこちらでも紹介しています。
五味太郎「ヘリコプターたち」きれいな言葉、詩のような絵本。持っていたい一冊
◆五味 太郎(ごみ たろう)
◆東京出身(1945年生まれ)
◆絵本作家
◆桑沢デザイン研究所ID科卒業。「たべたの だあれ」「かくしたの だあれ」(サンケイ児童出版文化賞)、「きんぎょが にげた」「仔牛の春」(ボローニャ国際絵本原画展)、「みんなうんち」「言葉図鑑」(世界でもっとも美しい子どもの本展)、「ときどきの少年」(路傍の石文学賞)など受賞多数